twitterで面白そうかなとフォローをして、読んできたとあるジャーナリストのつぶやき。
良き医療を期待する、それは我々の信念である。そしてその研鑽には日々ひたすら臨床に明け暮れ、自らへの勉学、修業を行っているつもりだ。
かの医療ジャーナリストはこう語った。
この国の精神科医療の貧困さを長年痛切に感じているが、専門家に危機感がないのか真実を見ないのか?少し前に国の施設のトップに多剤処方の話をしたが、一概に責められないと言っていた。多くの病院では圧倒的に人手が足りないので「薬」に頼らざる得ない現状だったとも・・他にも問題は山積!いと哀し
一瞬、絶句した。
なに??国のトップに取材しただけで、それだけ言えちゃうの?
多剤処方は確かに憂うべき問題であろう。単剤でクライアントが良くなればそれは私共精神科医にとっても非常に喜ばしいかぎりである。このつぶやきでは「人手が足りないから薬に頼る」という論調であるが、これは、現場の多くの精神科医にとって侮蔑とも呼べる一言であろう。だれしも多剤併用等したくはない。しかし、どうしても単剤で治癒しない方がいらっしゃる場合、あなたは何をすれば良いというのですか?ECTですか??
このジャーナリストは、精神医療の何を取材したのだろうか?
彼の著書は読んだことはないが、心臓血管外科に関する取材が多いようだ。中には、私が心臓外科時代に手術に立ち会わせてもらった尊敬する先生方の記事も載っている。今でも、私はその先生方を尊敬している。
ただ、精神科となるといきなり貧困ときたもんだ。私にも尊敬する精神科医はたくさんいる。
あなたはその精神科の名医を本当に取材しているのか?
確かに精神医療は過去、とある国の、監獄のような施設が出発であった点は歴史上否めない。
それをそのまま踏襲したような考え方をしているのであるとすれば、彼こそが精神障害に対する差別をしていることにならないか?
期待してフォローさせていただいた方だったが、フォローを外すことにした。
やっぱり、私はジャーナリズムを根本的に信用できない。
根本的には、外科時代、私が主治医となったとある著名ジャーナリストのお言葉がある。
「先生ね、今のジャーナリズムはもう駄目ですよ。私らはね、人が幸せになれるような、そういう時代を夢見て、世の中のなにが正しくて、何が間違っているか、、そらぁもう、笑われるかもしれませんが、血の吐くような、、、足で取材をしてきたものですよ。だけどね、先生。今のジャーナリズムは私からいうのもなんだけど、信用なりませんよ。取材の受け流し、ちょこっとその方面の幹部から聞いた話を流用するだけ。もう、時代が、変わっちまったんですかねぇ、先生。」
その方はお亡くなりになったが、私はいまでも彼のジャーナリズムに対する真摯さを、尊敬している。と同時に、今の医療もその方に負けないくらい真摯でありたいと考えている。
有用な医療情報がつぶやかれると思って期待していた儂があほやった。やっぱ、あほなジャーナリストはあほや。その方への改めての追悼の念と尊敬をこめて。気持ち悪くなるので、そのジャーナリストはフォロー解除。
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