かねてから、日本での精神医療は、ドイツ型に日本の図式を当てはめていた医療が行われていたような気がします。それはそれで、利点もありましたし、大いに現在の精神医療に貢献されていたと思っています。
そして、近年DSMというアメリカ型の、どちらかというと、統計的な概念で疾病を判断する医療に変わってきています。
私のスタンスとしては、これらは一長一短があると思っており、どちらかに影響されることはありません。
私は中観思想がベースにあります。
ナーガルジュナ(龍樹)の思想です。
初めて聞く方は、宗教色を感じられるかもしれません。
確かに、密教的な思想でもあります。
しかし、私は、基本的に、宗教、信仰を信じません。
逆説的にそれが中観の核だと思っております。
私の精神医療の核にもなっております。
誤解の無いように言っておきますが、私は脳科学についての興味もかなりあります。
Nature系を始め、最新の脳科学の論文には必ず、目を通します。
実際、臨床の場では、、、、
基本的に、まず、西洋医学の観点、ドイツ型、アメリカ型の問診方式で
患者さんの疾患をある程度確定できます。
すぐに、疾患を特定でき、薬物療法、精神療法で良い方向に向かわれる方が多いのも確かです。
しかし、近年、発達障害等の啓蒙も広がっているものの、
これまでの概念が通用しない、苦しんでいる方々が多いと感じているのは私だけでしょうか?
私は医学生時代、「気」について学ぶことができ、同級生は、東洋医学で診療を続けています。
彼は、きちんと、西洋医学を学び、さらに東洋医学のセンスを身につけています。
私自身は、30歳になるまでは、外科に所属しており、臓器としての病気を主に治療を行ってきました。
その後、元々、志していた精神医療に身を投じ、早、10年以上経ちます。
おかげさまで、西洋医学の臓器面、精神医療面、そして、「気」を使っての
精神医療のベースにたどり着くことができました。
これだけ、紆余曲折している人生なので、「気」についての師匠はいません。
しかし、先人達は、これらを独自に身につけていましたし、それが「道」だったのです。
私も、先人達の方法を踏襲しつつ、独自に試行錯誤を重ねて参りました。
時には、その同級生の「気」を借りながら、、、
おかげさまで、私の外来の中で、これまでのいわゆる、精神医学をではわかりかねる精神疾患が「気」を通して、見える様になった症例も増えてきました。
傲ることは許されませんが、謙虚に、そして、クライアントのニーズと私のスタンスを共有できる、そういう医療が行える、そして、それを許可してくださっている、私の所属するクリニックの院長に感謝する次第です。
私が、精神医療にて漢方薬を処方することがあるのを聞きつけ、漢方の製薬会社が私との面会のアポをとろうとされているのも面白い現象です。
気虚、実証等の話もともあれ、「気」の世界をどれだけ、漢方の製薬会社が理解しているのかも、面白い機会です。
はっきり言いましょう。「気」は科学、医学です。
段々高齢化する私ですが、このセンスは、徐々に磨かれている物と考えています。
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